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2026.09.30

オリジナルグッズを海外生産する。品質の仕組みと、発注前の確認ポイント

オリジナルグッズを海外生産する。品質の仕組みと、発注前の確認ポイント

オリジナルグッズを海外で生産する。いまでは珍しい話ではなくなりましたが、発注のたびに「品質はどう担保されているのか」を確認できているでしょうか。

見積もりに「検品費用」と書かれていても、その中身は会社によって違います。どの工程を、誰が、どこまで見ているのか。ここが曖昧なまま進むと、問題が起きたときに切り分けができません。

この記事では、海外生産で品質が保たれる仕組みを工程ごとに分解し、発注する側が確認しておくべき項目を整理します。

海外生産の品質は、確認する仕組みで決まる

海外生産の品質は「どの国でつくるか」で語られがちですが、実際に問題が起きるときの原因は、そこではないことがほとんどです。

過去の景表法違反は、確認の分担が曖昧だった

参考になる事例が2つあります。

ひとつめは、2007年7月のカシミヤ製品に関する事件。カシミヤ製品を扱う企業が販売したセーター等について、公正取引委員会が景品表示法違反として排除命令を出しました。

日本繊維産業連盟がまとめた「輸入繊維製品の品質ガイドライン」では、この事件の問題点を2つ挙げています。原毛の供給不足という環境変化に対して品質管理を強化する有効な対策が取れなかったこと。
そして、品質管理を製造業者に過度に依存する傾向があり、商社・アパレル・流通・販売の各業者が自主チェックを行う姿勢に欠けていたことです。

ふたつめは、2004年11月の原産国表示に関する事件。ルーマニア製の製品をイタリア製と脇ネームや下げ札に表示していたとして、輸入業者と販売会社に排除命令が出されました。
ここで指摘された問題点は、生産から販売に至る各取引業者間で、原産国に関する確認方法と情報が共有されていなかったことです。

どちらも、工場の技術力の問題ではなく、確認する仕組みが誰かに預けられたまま、誰も見ていない状態になっていたことが原因です。

生地・付属品・製品で、責任を負う会社が違う

同ガイドラインは、ものづくりにおいて各企業が自社の扱う商品について品質面の責任を持つという考え方を徹底することが肝要だとしています。そのうえで、責任の所在を3つに分けています。

  • 生地(原料素材):生地素材製造会社とその納入業者
  • 付属品:付属品製造会社とその納入業者
  • 製品:完成品組み立て製造会社とその納入業者

グローバル化されたものづくりにおいて、これを守ることは企業の社会的責任であり義務であると明記されています。
つまり、「工場に頼んだから工場の責任」という整理は成立しません。 発注する側にも、確認する責任が残ります。

法令だけでなく、自社の合格基準も必要

ガイドラインは、基本的に販売すべきでない商品として4つを挙げています。

  • 法律や業界または企業の規格、基準に合致しない商品
  • 着用により精神的、肉体的な不快感や苦痛、危害を与える商品
  • 通常の着用、洗濯、保管で短期間に支障を生じる商品
  • 表示や説明が誤っている商品

注目したいのは、企業の規格や基準という言葉が入っている点です。法令を満たしていればいいのではなく、自社として何を許容し何を許容しないかの線引きを持っているかが問われます。
グッズの発注においても、「どこまでなら合格とするか」の基準を先に決めておくことが、後のトラブルを防ぎます。

素材に合った拠点を選べるかが、品質を左右する

検品は、できてしまった不良を見つける工程です。ただ、そもそも不良が出にくい条件で作れるなら、そのほうが確実です。

得意な素材は、生産国によって違う

生産拠点にはそれぞれ得意分野があります。同じ縫製でも、扱い慣れている素材とそうでない素材では、仕上がりの安定性が変わります。

ユニファーストが連携している拠点でいえば、革製品はバングラデシュ、コットン製品や繊維製品はインドが強い領域です。
バングラデシュの革製品は色合いや風合いがよく、環境に配慮したベジタブルレザーの取り扱いもあります。
インドはコットン製品の品質が高く、中国より安価な量産が可能なため、繊維製品の大量生産やOEM販売に向いています。

つまり拠点選びは、コストだけの話ではありません。その素材を作り慣れている工場でつくること自体が、品質リスクを下げる有効な手段です。
技術のある工場を選べた時点で、検品で弾くべき不良の数を減らせます。

自社工場を持たないから、案件ごとに選べる

ユニファーストは自社工場を持たないファブレス企業です。
自社の設備の稼働状況に縛られないため、案件の内容から逆算して拠点を選べます。素材、加工方法、ロット、納期。条件が変われば適した工場も変わりますが、その都度選び直せる構造になっています。

製品の企画と開発に集中できるため、開発スピードが速く、世の中の変化にも対応しやすい点も、この形を取っている理由です。

現在の生産ネットワークは、日本国内をはじめ、中国(江蘇省・浙江省・山東省・安徽省・広東省・上海)などの東アジア、カンボジア・ベトナム・ミャンマーなどの東南アジア、さらにインドやバングラデシュなどの南アジアへと広がっています。
加工内容やロット、輸送コストなどの条件に応じて、最適な生産拠点を選定できます。

小ロットでも、海外生産の選択肢はある

海外でのOEM生産には一定以上のロットが必要というイメージがありますが、指定工場との連携により、小ロットでのOEM生産にも対応しています。

中国の提携工場で生産した商品を月1回の定期便として一括輸送する「UFコンテナ」を利用すれば、個別に輸送するよりも物流費を大幅に抑えられ、商品単価を約1割から3割ほど抑えることが可能です。
最低ロット数も下げられるため、100個から200個など少量での発注にも対応できます。

テストマーケティングのため当初は小ロットで、という案件にも使える仕組みです。

ただし、この仕組みは中国の提携工場を対象としたものです。バングラデシュやインドなど他の拠点で小ロット生産を検討される場合は、アイテムや仕様に応じて個別にご相談ください。
素材の特性を優先するか、ロットと単価を優先するかで、選ぶべき拠点は変わります。

検品は仕様の確認、検針は針の混入防止

品質確認の話をするとき、多くの場合「検品」という一語でまとめられます。ただし実際には、目的の違う複数の作業が含まれています。

検品は原料・縫製・寸法を仕様と照合する

ガイドラインでは、検品を設計通りの品質であるかを確認する作業と定義しています。対象となるのは、原料(編み立て、製織、染色)、縫製、寸法など。
各工程で品質を確認していきます。

つまり、仕様書に書かれた内容と実物が一致しているかを見る作業です。色が指定どおりか、サイズが許容範囲に収まっているか、縫製に不良がないか。
ここで見つかった不具合は、仕様の伝達に問題があったのか、製造工程に問題があったのかを切り分ける必要があります。

検針は折れた針を金属探知機で検出する

一方の検針は、危険物が混入していないかを確認する作業です。縫製の過程で折れた針の破片などが製品に残っていないかを、金属探知機で検知します。

この2つは目的がまったく違うため、片方をやっていればいいというものではありません。
見積もりに「検品費用」と書かれていても、検針が含まれているとは限らないので、発注時に確認しておくべき項目です。
特に、子ども向けの製品や肌に直接触れるアイテムでは、検針の有無が安全性に直結します。

抜取か全数かで、見落としとコストが変わる

ガイドラインは輸出前の工程として、検品会社での抜取検査または全数検査の実施を挙げています。

抜取検査は、一定数をサンプリングして確認する方法です。コストと時間を抑えられますが、当然ながら見ていない製品が残ります。
全数検査はすべてを確認するため確実ですが、その分のコストと期間が必要です。

どちらが適切かは、ロット数、単価、用途によって変わります。配布用のノベルティと、店頭で販売する物販商品では、求められる水準が違います。
見積もりを比較するときは、検査の方式まで揃えて見ないと、正しい比較になりません。

工場の整理整頓と本番生地の検査を見る

ガイドラインは、生産段階で確認すべきことを具体的に示しています。発注する企業が生産拠点を見る際のチェックリストとしても使える内容です。

工場訪問では、整理整頓と危険物管理を見る

直接工場を訪問して確認すべき事項として、次の6点が挙げられています。

  1. 工場内の環境整備(整理・整頓の状況)
  2. 縫製技術・生産効率
  3. 針・ハサミ・カッター等の危険物の取扱い
  4. ミシン・裁断機・プレス等の使用機器(油、工場水、染料・塗料についても確認)
  5. 包装・梱包の状況(使用資材を含む)
  6. 生産段階でホルマリン等の有害物質が混入される危険性

注目したいのは、整理・整頓の状況が最初に挙げられていることです。散らかった現場では針やカッターの管理が甘くなり、異物混入のリスクが上がります。
設備の新しさや規模より、日々の運用が現れるポイントです。

4つめの「油、工場水」も見落とされやすい項目です。機械油や工場で使う水が製品に付着すると、シミや変色の原因になります。淡色の製品ほど影響が出やすくなります。

サンプルと量産で、生地のロットが変わる

資材の段階についても、ガイドラインは具体的です。生地・副資材の発注先を確認して物性の検査データを入手すること。
そして、本番の生地・副資材をメーカーから取り寄せ、検査機関で混用率を含めた物性検査を実施することが挙げられています。

ここで重要なのが「本番の」という部分です。サンプル段階で使った生地と、量産で使う生地が違っていた。これは実際に起こります。
サンプルは少量なので在庫の反物で作れても、量産分は新たに手配するため、ロットが変わるからです。

本番用の材料で確認する工程があるかどうかは、品質管理の設計として大きな差になります。

不具合は現地で止めないとコストが膨らむ

ガイドラインが生産段階の取り組みとして挙げているのは、次の3点です。

  • 現地採用の検査員(技術者)育成による品質管理の向上
  • 現地における自社物流を活用した商品検査の実施
  • 問題となる商品を輸出前に食い止めること

特に、「問題となる商品を輸出前に食い止めること」が重要です。
海外から製品が到着してから不具合が見つかった場合、返送して直すか、日本国内で手直しするか、作り直すかになります。いずれも時間とコストがかかり、納期にも影響します。

現地で止められるかどうかが、リカバリーの難易度を決めます。そのためには、現地に確認できる体制があることが前提になります。
第三者検品は判定、自社体制は工程の監視
品質管理の話になると、「第三者検品をやっているかどうか」が判断基準にされがちです。ただ、これも一面的な見方です。

第三者検品は、ある時点の製品を中立に判定

ガイドラインは検査団体を、事業者からの依頼に基づき、公正かつ中立的な立場から検査を実施する第三者機関と位置づけています。その役割は2つです。
第三者としての適正な検査結果を提供すること。そして、法令規制・品質評価・品質管理に関する情報提供や助言を行うことです。

つまり第三者検品が担保するのは、ある時点の製品が基準を満たしているかについての、中立的な判定です。
社外に対して「第三者が確認しています」と説明できる価値は大きく、特に安全性が問われる製品では重要な機能になります。

自社体制は、工程の途中で問題を止める

一方で、第三者検品には限界もあります。判定は依頼したタイミングで行われるため、工程の途中で起きた問題を防ぐものではありません。
また、コストと時間がかかるため、すべての案件で全項目を実施するのは現実的ではありません。

ここを補うのが、工程の中で継続的に見る体制です。ガイドラインが挙げる「現地採用の検査員の育成」「自社物流を活用した商品検査」は、まさにこの領域にあたります。

この2つは対立するものではありません。 工程の中で継続的に見る仕組みと、節目で中立的に判定する仕組みという、役割の違いです。
カシミヤの事例が示したのは、外部に預けきってしまうと誰も見ていない領域が生まれるということでした。

ユニファーストは工程検品と第三者検品を併用

ユニファーストは40年以上にわたり、約4万点の製造に携わってきました。
その中で積み上げてきたチェック体制をもとに、生産管理スタッフが各工程ごとに複数回の検品を実施し、最終検品まで責任を持って管理しています。そのうえで、必要に応じて第三者検品も活用しています。

拠点の数より、それぞれの拠点で誰が何を見ているかを把握していることを重視しています。

表示義務と安全基準は、企画段階で決まる

見落とされやすいのが、法令上の要件です。これは製造技術とは別に、企画の段階で織り込んでおかないと後戻りできません。

繊維製品には組成・取扱い・原産国の表示義務

家庭用品品質表示法により、対象となる繊維製品には、繊維の組成、家庭洗濯等の取扱い方法、はっ水性(コート類のみ)、表示者名および連絡先の表示が義務づけられています。

原産国表示については、景品表示法の告示で定義が規定されています。先に挙げた2004年の事例は、この原産国表示を誤ったことによるものでした。
複数国にまたがる工程がある場合、どこを原産国とするかの判断には注意が必要です。生地を作った国と縫製した国が違うケースは珍しくありません。

ノベルティやグッズであっても、繊維製品であればこれらの対象になります。「配布物だから簡易でいい」ということはありません。

有害物質は基準値以下、乳幼児向けはより厳格

有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律により、家庭用品に含まれる有害物質は基準値以下であることが義務づけられています。ホルムアルデヒドなどが該当し、特に乳幼児向けの製品では基準が厳しくなります。
工場訪問のチェック項目にホルマリン混入の危険性が入っているのは、このためです。

製造物責任法(PL法)では、製品の欠陥によって生命・身体・財産に損害が生じた場合、被害者が製造会社などに損害賠償を求められると規定されています。

重大事故は、知ってから10日以内に報告義務

消費生活用製品安全法では、製品によって消費者が死傷もしくは手足の欠損等を生じるような重大事故が起きた場合、事業者は重大製品事故が生じたことを知ったときから10日以内に主務産業大臣に報告する義務を負います。

10日は短い期間です。社内で報告ルートが整理されていないと間に合いません。
重大事故に至らない軽微な事故やヒヤリ・ハット事例についても、製品評価技術基盤機構(nite)が任意の制度で情報収集を行っています。

ガイドラインは、企画段階の取り組みとして、製品事故発生時における危機管理対応マニュアルの策定を挙げています。つくる前に決めておくべきこと、という位置づけです。

発注する側が確認しておきたい5つのこと

ここまでを踏まえて、グッズの製造を依頼するときの確認項目を整理します。

1. その素材に合った拠点で作られるか

なぜその国、その工場なのか。コストだけの理由になっていないか。素材やアイテムの特性に合った拠点が選ばれているかは、不良の発生率そのものに関わります。

2. 誰が、どの工程を見ているか

工場任せになっていないか。発注先の会社が現地に人を置いているのか、日本から派遣するのか、書類での確認にとどまるのか。品質管理を製造業者に過度に依存する構造が、リスクの原因になります。

3. 検品と検針の両方が含まれているか

見積もりの「検品」に何が含まれているかを確認してください。抜取か全数かによっても内容とコストが変わります。

4. 本番用の材料で検査しているか

サンプル承認時の生地と量産の生地が同じであることを、どう担保しているか。

5. 表示要件と、問題が起きたときの対応

組成表示、取扱い表示、原産国表示を誰が確認するか。そして納品後に不具合が見つかった場合、誰に連絡しどう対応するか。現地で止められる体制があるかどうかも、ここに含まれます。

まとめ

海外生産の品質を左右するのは、生産国そのものではありません。素材に合った拠点を選べているか、そして工程のどこを誰が確認しているか。この2つに注目する必要があります。

過去の事例が示しているのは、品質管理を製造業者に預けきったときに問題が起きるということでした。
裏を返せば、選ぶ仕組みと確認する仕組みが設計されていれば、海外生産は品質とコストを両立させる手段になります。

ユニファーストは自社工場を持たないファブレス企業として、日本国内からアジア各地まで、案件ごとに最適な生産拠点を選定しています。
小ロットのOEM生産にも対応し、生産管理スタッフによる工程ごとの検品体制で品質を確保します。

どの拠点でどう作るのが最適か。素材や数量が決まっている段階でも、まだ検討中の段階でも、一度ご相談ください。

生産体制・品質管理について
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ユニファースト株式会社

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ユニファーストは、企業やブランドの「伝えたい」を 具体的な「モノ」へ変える会社です。

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