2026.10.27
イベント物販グッズを発注する。数量設計から納期逆算までの実務ガイド
イベントやライブの物販グッズは、ノベルティとは発注の難しさが違います。
ノベルティなら、余れば次の機会に回せます。しかし物販グッズは、売り切れれば機会損失、余れば在庫。しかもイベント当日という動かせない締切があり、権利元の監修が入れば工程はさらに増えます。
この記事では、物販グッズを発注するうえで判断が必要になる実務を、数量・スケジュール・アイテム選定・権利まわりの4つに分けて整理します。
なぜいま推し活グッズやぬいぐるみが企業施策として注目されているのか、という背景についてはこちらのコンテンツもご参考ください。
「ぬい活」ブームを企業はどう活かす?物販グッズの発注が、ノベルティと違う理由
配布するノベルティと販売する物販グッズでは、失敗したときの跳ね返り方が違います。
売り切れた場合、買えなかったファンの不満が残ります。追加生産しても、イベントが終わってしまえば熱量は戻りません。
余った場合、在庫を抱えます。イベント限定を謳っていれば通販に回しにくく、保管コストも発生します。
この両方を避けるために、数量とスケジュールの設計が重要になります。
売り切り前提か、在庫を許容するか
最初に決めておきたいのが、この方針です。売り切り前提なら、数量は控えめに設定します。完売は話題にもなりますが、買えなかった層が一定数生まれます。
在庫を許容するなら、イベント後の販路をあらかじめ用意します。オンラインストアでの継続販売、次回イベントでの再販、ファンクラブ向けの販売など。
この想定があれば、強気な数量設定ができます。
どちらが正解ということはなく、ブランドの方針によって変わります。ただし事前に決めておかないと、数量を根拠なく決めることになります。
数量の決め方について

数量の設計に唯一の正解はありません。ただし、勘ではなく根拠を持って決めることはできます。
判断の材料になるのは、想定来場者数、展開する種類数、そしてアイテムごとの最小ロットの3つです。これらを突き合わせていくと、現実的に成立する範囲が見えてきます。先に決めた在庫方針も、ここで効いてきます。
売り切り前提なのか、イベント後の販路を用意するのかで、同じ条件でも適切な数量は変わります。
来場者数からの考え方
物販の数量設計では、想定来場者数に対してどの程度が購入するかを見積もります。
この購入率は、イベントの性質で大きく変わります。ファンの熱量が高いライブや、限定性の強いイベントほど高くなり、不特定多数が訪れる展示会では低くなります。過去に同種のイベントで物販を行った実績があれば、その数字が最も確実な材料になります。
種類を増やすか、点数を絞るか
同じ予算でも、1種類を多く作るか、複数種類を少しずつ作るかで結果は変わります。
種類を絞ると、1種類あたりの製造数が増えるため単価を抑えやすくなります。在庫リスクも読みやすい設計です。
種類を増やすと、集める楽しさが生まれ、1人あたりの購入点数が上がる可能性があります。一方で、種類ごとに売れ行きの差が出るため、特定の種類だけ余るリスクがあります。
キャラクターものは後者の設計と相性がよく、ランダム封入やコンプリート設計と組み合わせられます。
最小ロットとの兼ね合い
アイテムによって、製作できる最小の数量は変わります。アクリル素材のキーホルダーであれば1,000個〜が一つの目安です。
複数種類を展開する場合、この最小ロットが種類ごとにかかるのか、全体でまとめられるのかで総数が変わります。種類数を検討する段階でご相談いただけると、実現可能な組み合わせをご提案できます。
なお、記載の数量より少ない数でのご相談も承っています。「この数では難しいだろう」と思われる場合も、一度お聞かせください。
イベント日から、スケジュールを逆算する
物販グッズの発注で最も失敗しやすいのが、スケジュールです。開催日は動かせないため、そこから逆算して各工程の締切を決めます。
製造にかかる期間
入稿から納品までの目安は、約2か月です。内訳としては校正に約7日、生産に30〜40日、これに仕向地に応じた輸送期間が加わります。つまり、デザインが確定してから最短でも2か月程度が必要になります。
逆算すると、いつ動き出すべきか
ここに、製造前後の工程が加わります。
| 工程 | 目安 |
| 企画・アイテム選定 | — |
| デザイン制作 | — |
| 監修(権利元がある場合) | 回数と期間を要確認 |
| サンプル確認 | 必要に応じて |
| 入稿〜納品 | 約2か月 |
| 会場搬入・検品 | イベント直前 |
デザイン制作と監修にかかる期間は案件によって幅があります。製造の約2か月は動かしにくい部分なので、そこに自社の制作期間と監修の往復を足し、さらに会場搬入前の検品期間を見込む。
これらを踏まえてスケジュールを考えることで、いつ動き出すべきかが見えてきます。
監修がある場合は、さらに余裕を見る
権利元の監修が入る場合、往復の回数が読めないことがあります。一度で通ることもあれば、修正が重なることもあります。
監修の回数と、1回あたりに要する期間。この2つを早い段階で確認しておくと、スケジュールの精度が上がります。
サンプルで確認してから量産する
実物を確認してから量産に進みたい場合は、サンプル製作に対応しています。アクリルタイプのように型代がかからない素材であれば、少ない数量でつくって反応を見るという進め方もできます。
初回の企画や、新しい仕様に挑戦する場合は、この工程を挟んでおくと安心です。
アイテムをどう選ぶか

物販グッズのアイテム選定では、デザインの映え方だけでなく、会場での買われ方まで含めて考えます。
持ち帰りやすさが購入点数を左右する
来場者の多くは、公共交通機関で帰ります。かさばるアイテムは、欲しくても買うのをためらわれます。
小さく軽いアイテムは、複数購入のハードルが低くなります。物販の売上は「購入者数 × 購入点数」なので、ここは直接効いてきます。
価格帯を分散させる
単価の異なるアイテムを揃えると、購入者の幅が広がります。手に取りやすい価格帯のものと、しっかり作り込んだ高単価のもの。両方あることで、予算の異なる層に対応できます。
アイテム別の特徴
ユニファーストで製作実績のあるアイテムを例に、物販での向き不向きを整理します。ここに挙げていないものもご相談いただけます。
| アイテム | 特徴 | 向いている設計 |
| キーホルダー・チャーム | 軽く持ち帰りやすい、単価を抑えやすい | 複数種類での展開、ランダム封入 |
| ぬいぐるみ・マスコット | 単価を上げやすく、所有感が強い | 目玉商品として |
| タオル・アパレル | 会場で身につけてもらえる | 一体感の演出 |
| ポーチ・バッグ | 日常使いで長く持ち歩いてもらえる | イベント後の接触を狙う |
ガチャガチャで販売する場合
カプセル入りの仕様にも対応しています。ガチャで販売する場合、カプセルを開けた瞬間が体験の山場になります。
取扱説明書を冊子タイプにするだけでも、世界観の伝わり方が変わります。注意書きを入れる紙と考えず、商品の一部として設計できます。
権利に関する確認は早めに行う
権利元のあるコンテンツを扱う場合、確認すべき条件は案件ごとに大きく異なります。コンテンツの種類、権利元の体制、販売の形態によって、必要な手続きも、かかる期間も変わってきます。
共通して言えるのは、これらの条件が製造工程そのものに影響するということです。デザインの進め方、スケジュールの組み方、場合によっては仕様の選択肢まで左右します。
そのため、権利元との条件整理は仕様を固める前の段階で着手しておくと、後戻りを避けられます。どこまでが確認済みで、どこがこれからなのか。その状況をご相談の際に共有いただければ、それを織り込んだ進行をご提案します。
最も重要なのがイベントの開催日です。ここから全工程を逆算するため、この一点が決まるだけで提案の精度が変わります。次いで予算の総額があると、種類数と単価の配分を考えられます。
想定来場者数と客層は、数量とアイテム選定の判断材料になります。デザインデータの有無と形式によって工程の組み方が変わり、監修の有無はスケジュールに大きく影響します。イベント後に通販や再販を予定されているかどうかも、在庫方針を決めるうえで重要な情報です。
すべてが揃っていなくても、分かる範囲で構いません。開催日と予算感だけでも共有いただければ、そこから実現可能な選択肢をお出しできます。
ユニファーストにご相談いただく場合
物販グッズは、数量もアイテムも案件ごとに幅があります。
数万個単位で展開することもあれば、限定品を少量だけつくることもある。会場での見え方にこだわった結果、既製品では成立しない仕様が必要になる場面もあります。
こうした振れ幅のあるご相談に対応するには、生産量と仕様の両面で選択肢を持っていることが前提になります。ユニファーストがどのような体制でお応えしているかをご紹介します。
ロット数はご相談ください
大手企業様のノベルティやユニフォーム、販売用の商品を中心に、10万個を超える大ロットの生産を長く続けてきました。一方で、記載の数量より少ない数でのご相談も少なくありません。
アジアの提携工場との連携
中国をはじめアジア各国の工場と長くお付き合いしており、現場と直接やりとりできる体制を取っています。
そのため、既製品では合わない仕様にも、価格を抑えながら対応できます。品質の管理も自社で行っています。
梱包・付属物まで含めて相談ください
OPP袋での個包装、ガチャ用カプセル、冊子タイプの取扱説明書。商品本体だけでなく、受け取る瞬間までを含めて設計できます。
イベント・展示会のご担当者様や、スポーツ関連・エンターテインメント関連の企業・団体様からのご相談が多くあります。
キャラクターやIPのコンテンツホルダー様、ライセンス商品を企画される企業様からもお声がけいただいています。
商品企画・MDのご担当者様、メーカー様、小売・流通企業様、EC・通販事業者様など、販売を前提としたものづくりに関わる方々にもご利用いただいています。
まとめ
イベント物販グッズの発注は、売り切れても余っても痛手になるという点で、配布するノベルティとは性質が異なります。
だからこそ、売り切り前提でいくのか、イベント後の販路を用意して在庫を許容するのか。
この方針を最初に決めておくことが、その後のすべての判断の土台になります。
数量は、想定来場者数と種類数、そしてアイテムごとの最小ロットを突き合わせて決めていきます。スケジュールは開催日からの逆算です。入稿から納品まで約2か月を見込み、監修が入る場合はさらに余裕を持たせます。
権利まわりの条件は製造工程そのものに影響するため、仕様を固める前に整理しておくと後戻りを避けられます。
ユニファーストは、ご要望をうかがったうえで、会場での買われ方や持ち帰りやすさといった観点からも提案を重ね、その折り合いをつけていくことを得意としています。
大ロットの生産を長く手がけてきた一方で、少ない数量でのご相談にも応じています。
イベントの開催日が決まっている段階で、お早めにお声がけください。
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