生産品質管理は商品製造に欠かせない存在
“つくりたい”を形にする会社・ユニファーストは自社工場をもたないファブレス企業。世界各国の提携工場で商品を生産するために欠かせない役割が「生産品質管理」です。
今回は本場中国で学んだ語学力を武器に生産品質管理で活躍する下村 隼さんに、ユニファーストへ入社した理由と仕事の魅力についてお話を聞きました。
中国で学んだ語学を武器に、ものづくりの世界へ飛び込む
──ユニファーストへ入社するまでの経歴を教えてください。
下村:日本の大学に入学したのですが、1年足らずで中退しました。最初に入学した大学では、どうしても受講したかった中国経済の講義を定員オーバーのため受講できず、それなら直接中国で学びたいと思ったのが中退のきっかけです。
大学を辞めた後は5年ほどアルバイト生活で学費を貯め、24歳のときに上海の語学学校へ入学しました。中国の大学に入るには語学学校で一定の成績を修める必要がありますので、2年間中国語を学んだ後に大学へ2年生として編入しています。
──なぜ直接中国に渡るほど中国への関心が強いのでしょうか。
下村:父が生産管理の仕事をしており、私が小さい頃から中国の工場と頻繁にコミュニケーションをとっていました。中国への出張も多かったので、よく父に中国へ連れて行ってもらいました。現地で働く方とふれ合う機会に恵まれたので、自然と中国のビジネスへの興味関心が強くなったんだと思います。
──ユニファーストへの入社を決意した決め手は何でしょうか?
下村:中国の大学で学び始めた翌年、3年生のときに日本企業の合同就活セミナーが上海で開催されました。そこでユニファーストが出展していたブースを訪問し、説明を聞いたのが最初の出会いです。
ユニファーストのブースには、さまざまな実績品のサンプルが並べられていました。他社よりも多くのサンプルを並べる姿勢に加え、ブースで優しく熱心に説明する橋本社長(当時は副社長)の姿を見て、きっと良い会社なんだろうと好感を抱いたのを覚えています。
私の母はアクセサリーを作る会社を経営しており、小さな頃からものづくりに携わる人の姿を見る機会に恵まれていました。色々な人が関わるものづくりの仕事に魅力を感じていたので、ユニファーストのサンプルが気になったのもあると思います。
また、ちょうどユニファーストが募集していた職種は、父と同じ生産管理。さらには中国の生産工場とのコミュニケーションが求められると聞き、学んだ中国語を生かせると思いました。父と同じ仕事をしながら中国語を生かせる。そのときの私が選べる選択肢の中でも最高のものだという確信があったので、そのままユニファーストへの入社を決めました。
一生懸命なコミュニケーションが良好な関係を築く
──現在はどのような仕事に携わっていますか?
下村:現在の仕事は生産品質管理です。ユニファーストの製品を生産する中国の各工場の生産進捗状況の管理と、でき上がった製品そのものの品質管理をしています。とはいえ常に中国の工場にいるわけではなく、現地スタッフに指示を出し、彼らと協力しながら管理業務を進めています。
──仕事の上で大変だと感じることはありますか?
下村:5年ほど中国で生活していたのですが、いまだに中国の方とのコミュニケーションは難しいと感じます。日本人とは生まれもった感覚が違いますので、細かいニュアンスの違いが誤解を生むことも珍しくありません。たとえば、商品が入った段ボールを運び置く際に、置く位置の手前あたりから軽く放り投げたり、足元にある荷物を足で移動したりなど、現地の方が悪気はなくやっている所作については、今でもさまざまな驚きがあります。また工場とのやりとりでは、語学学校や大学では使われないような専門用語が飛び交っているので、初めて聞いた単語を理解するのが大変だと感じるときもあります。
──そうした苦労はどのように解決してきたのでしょうか。
下村:入社した当初は、先輩や同僚から翻訳を頼まれるたびに辞書でわからない言葉を調べていました。自分では要求をクリアできていたので問題ないと思っていたのですが、ある日先輩から「辞書ばかり見ても学べないよ」と忠告されたんです。
その先輩いわく、意味が分からなくて話が通じなくてもコミュニケーションをたくさん取ることが大切とのこと。一生懸命な姿勢で言いたいことを伝えようという姿勢が、人間同士の関係を作るコミュニケーションを生むと教えてくれました。
忠告を受けて以降、私は辞書を開かずに自分が使える中国語でコミュニケーションを取るように努めました。最初は本当に苦労しましたが、わからないものはわからないと自分をさらけ出すようにした結果、濃密なコミュニケーションを取りながら意思の疎通ができるようになりました。
今でもやりとりの中に理解できない単語が出ることがありますが、自分をさらけ出すコミュニケーションで解決できるようになっています。思い返すとおおよそ入社から3年ほど経った頃から良くできるようになったと感じます。
──反対に嬉しかった瞬間を教えてください。
下村:中国の工場からお客様に渡すサンプルが大量に届くことがあります。入社した当初はそのサンプルの検品を任されることが多く、100個近いサンプルに不備がないかチェックしていました。
ある休日に街を歩いていると、私がチェックしたサンプルと同じ子ども向けの商品を置いている店を見つけました。「これ何度も検品したな」と思い出しながら見ていると、隣にいたお子さんがご両親にねだってその商品を買ってもらっていました。そのときのお子さんの笑顔がとてもまぶしく見えたのを覚えています。
我々の仕事は、やりがいや達成感を数字から感じることができません。お客様と直接交流する機会も少ないため、直接お褒めの言葉をいただくことも多くはありません。そうした状況の中でお子さんが見せてくれた笑顔は、商品の完成に自分が役立っていると実感させてくれました。自分の仕事への取り組みがしっかりとお客様の笑顔に繋がっていると思えるようになり、日々の仕事にやりがいを感じるようになったんです。
ものづくりが好きで正直なこと。商品の完成を裏で支える縁の下の力持ち
──成長を実感できた瞬間はありますか?
下村:一番成長したと感じたのは、入社3年目に中国へ約半年間ひとりで出張したときです。入社して1〜2年は上司や営業担当の先輩と一緒に出張するので、ユニファーストに入社してからは初めての経験でした。国際電話やLINEで日本とコンタクトはとれるものの、「頼れるのは自分だけ」と思い、奮闘していました。
具体的には中国のさまざまな現場に行って、日本から依頼された内容をもとに生産の進捗状況を確認するんです。現場を細部まで理解するために、自分が理解しきれるまで何度もコミュニケーションをとりました。私たちが現場を細部まで理解することで、お客様へ正確な状況を伝えることができますし、それが営業担当者のサポートになっています。当時は大変さもありましたが、今となっては良い経験ができたと思います。
あとは入社して5年ほどの間に、さまざまな商品を手に取ってきたため、今商品に少し触れば、どんな素材を使っているのかわかるようになりました(笑)。入社当時は、時間が余れば倉庫に行き、先輩方の実績商品を見て、触り、何の素材を使用しているのかを調べていたからかもしれません。まだまだ未知の商品もたくさんありますので、今後もさらに多くの商品に関わっていきたいと思っています。
──ユニファーストの生産品質管理にはどのような人が向いていると思いますか?
下村:中国やベトナムの工場とのやりとりが多い仕事ですので、中国語または英語が得意な人は活躍しやすいと思います。ただし、必ずしも語学に長けている必要はありません。それ以上にものづくりに興味をもって仕事に取り組めることが、ユニファーストの生産品質管理に必要な素養だと思っています。自分の仕事がものづくりの一部に関わっていることに誇りをもてる方は、たとえ語学が得意ではなくても活躍のチャンスが広がると思います。
──下村さんご自身はどんな方と一緒に働きたいと思いますか?
下村:生産品質管理の仕事でもっとも重要なことは「嘘をつかないこと」です。私たちの仕事は正しい情報をチームへ正確に共有することですので、嘘をつけないような正直者の方だと安心して一緒に働けると思います。
生産品質管理はあまり目立たない仕事かもしれません。人によっては脇役のように感じるかもしれませんが、私たちがいなければ商品が世に出ない重要な役割です。ぜひものづくりに興味がある方は、ユニファーストで一緒に働いてみませんか。ガッツがあって正直な方のチャレンジをお待ちしています!